遺品整理で見つけた意外な貴重品

酒井宏幸

September 5, 2024

遺品整理で見つけた意外な貴重品


遺品整理で見つけた意外な貴重品

こういう仕事をしていると、遺品の中から思いがけない貴重品が見つかることがあります。もちろん、家族の大切な形見や思い出の品々もありますが、意外な場所から現金が出てくることも少なくありません。

今回の案件でも、まさに「え!?こんなところに?」という驚きの発見がありました。

今回依頼されたのは、何年も住んでいないご自宅の2階部分。1階はかつて飲食店を経営していたようで、依頼主はリフォームを考えているため、まずは2階だけを片付けたいとのことでした。

2階だけでも3DKと広く、長年放置されていたため、荷物が山積みになっていました。経験上、この部屋で亡くなった方がいることを感じ取りました。刑事ではありませんが、「ニオイ」が教えてくれることがあるのです。それは、かつてこの部屋が寝室として使われていたことを物語っていました。

多くの部屋がある場合、まずは1箇所を空けて仕分けスペースを作るのが鉄則です。私はその寝室から片付けを始めました。かなり荒れた状態でしたが、手前から順に作業を進めていきました。

その途中、古びた化粧台が目に留まりました。おそらく、この家に住んでいた奥さんが使っていたものでしょう。時間の流れを感じさせるその化粧台の椅子に、私はふと目を向けました。

化粧台の椅子の中って、意外と収納スペースがあるんですよね。そこを開けてみると…

なんと20万円が入っていたのです。

封筒に入れられたその現金は、長い年月を経て、ところどころネズミにかじられていました。しかし、封筒の中身はしっかりと残っており、私たちはその発見に驚きを隠せませんでした。

もちろん、すぐに依頼主にお渡ししました。依頼主は「今回の作業料金がこれでペイできた!」と大変喜んでいました。家族にとって、亡くなった方が残したへそくりが、思いがけず役立つことになったのです。

ネズミにかじられるほど長い間放置されていたことから、本人もその存在を忘れていたのでしょう。しかし、その忘れられたへそくりが、残された家族の生活を少しでも助けることができたのは、何とも感慨深いものです。

こうした発見は、遺品整理の現場ならではの出来事であり、家族の歴史や思い出が詰まった一瞬一瞬に、私たちも立ち会わせていただいているのだと改めて感じました。

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